争族になりやすい人

1.遺言書がない

   遺言書がないと、相続人全員による話し合い(遺産分割協議)で決めることになるため

   相続人のうち一人でも反対の場合は合意することが出来ません。

   また、相続財産に対する価値観も相続人ごとに異なり、話し合いの合意が難しい要素に

   もなります。

2.遺産は不動産のみ

   遺産が不動産のみの場合、現金や預貯金と違って簡単に分けることが出来ません。

   売却して分ける方法もありますが、長年その家に住んでいる長男家族が家を出て自宅を

   売却することは難しいでしょう。

3.相続人の仲が悪い

   遺言書がない場合、遺産分割協議で遺産の分け方を決めることになりますが、相続人同

   士の仲が悪い場合、遺産分割協議は成立しません。

4.子どもはなく、相続人は兄弟姉妹のみ

   遺言書があれば、兄弟姉妹には遺留分がないため、配偶者に財産をすべて相続すること

   が出来ますが、遺言がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行うことになるため、話

   し合いによる合意が難しい要素にもなります。

5.生前に多額の援助をしている子供がいる

   生前に多額の援助(特別受益)をしている場合、援助した財産の評価は、相続開始時の

   価額で決めることになります。

   相続時に相続財産に加え(特別受益の持ち戻し)て遺産分割協議をすることになるため

   話し合いによる合意が難しい要素にもなります。

   遺言をすることで特別受益の持ち戻しの免除をすることが出来ます。

6.生前に特定の子どもに介護などの世話になっている

   特定の子どもに介護などの世話になっている(寄与分)場合、寄与分の額については、

   相続人全員の話し合いで決めることになるため、話し合いによる合意が難しい要素にも

   なります。

   寄与分を考慮した遺言をすることで、相続人全員での話し合いがなくなります。

   寄与分については、付言事項でなぜこのような遺産分割をしたのかを書かれるとよいで

   しょう。

7.家業を特定の子どもに継がせたい

   家業を長男に承継したい場合、遺言がないと相続人全員での話し合いで決まることにな

   ります。話し合いがまとまらない場合、長男は家業を続けられなくなります。

   遺言をすることで、家業を長男に承継することができます。

8.再婚をしている

   再婚したが、元妻にも、現在の妻にも子どもの法定相続分は同じです。遺言書がないと

   相続人全員での話し合いで決めることになるため、話し合いの合意が難しい要素にもな

   ります。

9.婚姻関係にない相手との間に子どもがいる

   婚姻関係にない相手との間に子ども(非嫡出子)の法定相続分は、嫡出子と同じです。

   遺言書がない場合、相続人全員での話し合いで決めることになるため、話し合いの合意

   が難しい要素にもなります。