よくある質問

1.遺言

  Q1.遺言ができる人はどんな人ですか?

    15歳以上の者は、遺言することができます。ただし、遺言するときに、遺言の内容を理

    解しその結果を認識できる意思能力のあることが必要です。意思能力のない者の作成し

    た遺言書 は無効です。ご高齢で判断能力に疑問のある方は、医師の診断書の提出が必

    要な場合もあります。

  Q2.自筆証書遺言書と公正証書遺言書の違いは何ですか? 

    (1)自筆証書遺言

      自筆証書遺言は本人が自筆で作成します。

       メリット :作成費用がかかりません。

       デメリット:①形式の不備や、あいまいな書き方により、無効になったり争い

              になったりすることがあります。

             ②紛失や偽造の危険があります。

             ③遺言が発見されない可能性があります。 

             ④家庭裁判所の検認が必要になります。

    (2)公正証書遺言

      証人2名が立ち合い、遺言者の口述を元に公証人が作成します。

       メリット :①公証人が作成するため、効力が問題になることはほとんどあり

              ません。

             ②紛失や偽造の心配がありません。

             ③家庭裁判所の検認がありません。

       デメリット:①作成には手数料がかかります。

             ②遺言の内容が証人に知られてしまいます。

  Q3.相続人になれる人はどんな人ですか?

    相続人になれる人は一定の親族のみで、具体的には次の人です。

   (1)配偶者

      配偶者は常に相続人になります。ただし、この場合の配偶者は法律婚をしている

      必要があります。内縁関係にある配偶者は相続人になれません。

   (2)第一順位(子などの直系卑属)

      被相続人の子は、実子養子を問わず相続人となります。

      出生前の胎児も相続人になります。死胎で生まれてきたときは、始めから相続人

      でなかったことになります。また、被相続人の子が相続開始前に死亡していた場

      合にも、 その子( 被相続人から 見た孫)や孫(被相続人から見たひ孫)が相続

      人となる場合があります。(代襲相続)

   (3)第二順位(親などの直系尊属)

      親などの直系尊属は、第一順位の相続人がいない場合に相続人となります。

      直系尊属が複数いる場合には、親等の近い者だけが相続人となります。

      よって父母と祖父母がいずれも尊命の場合には、父母のみが相続人となります。

   (4)第三順位(兄弟姉妹)

      兄弟姉妹は、第一順位及び第二順位の相続人がいない場合に相続人になります。

      兄弟姉妹についても代襲相続は認められていますので、甥や姪が相続人になるこ

      とがあります。     

  Q4.証人がいない場合、どうしたらよいですか?

    当事務所にご相談いただければ、証人をご紹介させていただきます。

  Q5.生命保険は遺産に含まれるのでしょうか?

    保険金は、保険会社から保険金受取人に直接支払われる金銭ですから、遺言者の遺産

    には含まれません。

  Q6.遺言書には、お墓のことも書くことはできますか?

    記載できます。「祭祀の承継者を〇と指定し、その者に祭祀用財産の一切を承継・管

    理させる。」と記載します。

  Q7.配偶者に遺産を全部遺すことはできますか?

    遺言をすることで配偶者に遺産を全部遺すことができます。ただし第一順位または第

    二順位の相続人が遺留分減殺請求をされた場合には、遺すことはできません。

    第三順位の相続人には遺留分がありませんから、配偶者に遺産を全部遺すことができ

    ます。

  Q8.遺留分とは何ですか?

    遺留分とは、遺言書があっても、相続人が最低限、相続できる相続分のことです。

    遺留分を有するのは、法廷相続人の内、兄弟姉妹を除く、すなわち配偶者・子・直系

    尊属です。なお遺留分が侵害されても、それでもかまわないということであれば、遺

    言書通りに相続が行わ れます。

  Q9.自筆証書遺言の保管はどうすればよいですか?

    自筆証書遺言書の保管場所は、普段は家族の目が届かず、相続の際には必ず探しても

    らえるような場所が理想的です。せっかく書いた遺言がだれにも発見されないままに

    なってしまう こともあ ります。

    信頼できる知人に預けるか、その人だけに保管場所を伝えておくのもひとつの方法で

    す。

    法務局による自筆証書遺言書の保管制度を利用することもできます。

2.遺産分割協議

  Q1.法定相続分と異なる遺産分割はできますか?

    相続人全員の合意で法定相続分と異なる遺産分割を行うことができます。

  Q2.遺言と異なる遺産分割はできますか?

    相続人全員の合意で遺言の内容と異なる遺産分割を行うことができます。

  Q3.相続人に行方不明者がいますが遺産分割はできますか?

    相続人の中に行方不明者がいて、遺産分割協議ができない場合は、まずその者を不在

    者として、家庭裁判所に不在者の財産管理人選任審判の申し立てを行い、選任された

    不在者の財産管理人が、相続人らと遺産分割協議を行うことになります。

  Q4.分割するまでの遺産はどのように管理するのですか?

    遺産分割を行う前に遺産の保全の必要がある場合は、家庭裁判所に審判前の保全処分

    申立を行うことにより財産管理者の選任が行われます。

  Q5.遺産から収益がある場合、どのように処理すればよいですか?

    賃貸などによる不動産収入がある場合は、相続開始から遺産分割までに不動産から生

    じる金銭を各相続人がその相続分に応じて分割することになります。

  Q6.遺産分割を禁止することはできますか?

    家庭裁判所に遺産分割禁止の調定の申し立てをします。家庭裁判所は「特別の事由」

    があれば遺産分割審判手続きの中で分割禁止の審判ができます。「特別の自由」とは

    、遺産の全部または一部を分割しない方が相続人ら全体にとって利益になると思われ

    る特別な事情をいうとされています。

  Q7.祭祀を主宰しますが遺産を多くもらうことはできますか?

    祭祀財産を承継したからと言って、遺産を多くもらう権利はありません。ただし、相

    続人全員の合意があれば他の相続にんより多くすることは可能です。

  Q8.分割前に処分した遺産は取り戻せますか?

    相続人の一人が、遺産分割前に処分した遺産は、法的に有効と見られます。

  Q9.相続人に成年後見人がいますが、遺産分割協議はできますか?

    成年後見人が本人の代理人として遺産分割協議に参加するすることになります。

3.家族信託

  Q1.遺言と何が違うのですか?

    遺言は、相続財産の処分などにつき遺言者の希望を実現させるためのものですが、信

    託は生前の財産管理から亡くなられたときの相続財産の処分及び財産を承継した次の

    承継者の指定など、死後に至るまで財産の処分を指定することができます。

  Q2.信託を利用するメリットは何ですか?

    信託は、委任契約・成年後見制度・遺言の各機能の利点を網羅した制度と言えます。

    生前の財産管理、認知症などになったときの成年後見制度に代わる財産管理機能とし

    て、また遺言としての財産承継をを指定することもできます。信託契約の中にこれら

    の機能を持ち込めることも最大のメリットといえます。

  Q3.信託と成年後見制度の違いはなんですか?

    成年後見制度は、成年被後見人の身上監護と財産管理が目的ですから、成年被後見人

    の財産を減らす行為はできません。例えば、元気な時に孫に入学祝を上げる約束をし

    ていたとしても、孫ににゅかく祝い金を上げることはできません。

    信託は、認知症になった後でも孫に入学祝金を上げることができます。

  Q4.不動産の登記はどうなるのですか?

    登記簿には不動産の所有者として登記簿に載っていた人に代わり、財産の管理を任せ

    た受託者が形式的な所有者になりますが、実質的な財産権の移転はありません。固定

    資産税の納税義務者は受託者になります。

  Q5.信託した財産は誰のものですか?

    信託契約をすることで、所有権が権利と名義に分離します。名義は受託者に書き換え

    られ権利は受益者に書き換えられます。つまり民法でいう所有権は、信託法では権利

    と名義に分離されるということになります。

  Q6.信託財産は相続財産ですか?

    信託財産は相続財産ではありませんが、相続人が受益者として相続財産を取得した場

    合は、特別受益として遺留分減殺請求の対象となります。

  Q7.信託した財産を取得した場合、遺産分割協議の対象になりますか?

    信託財産は相続財産ではないので、遺産分割協議の対象にはなりません。

  Q8.信託協議書は公正証書にする必要はありますか?

    法的には公正証書にしなくても信託契約は成立しますが、委託者自らの意思で当該契

    約を結んだことを立証できるように、公正証書にすることをお勧めします。また金融

    機関において信託口口座を開設する場合、公正証書の提示を求められることがありま

    す。

  Q9.固定資産税の納税義務者は誰になりますか?

    固定資産性の納税義務者は受託者になります。

4.法定相続情報一覧図

  Q1.手続きはどこで行うことができますか?

    全国の法務局において、利用することができます。

  Q2.誰かに頼むことはできますか?

    次の資格代理人に頼むことができます。

     行政書士・弁護士・司法書士・税理士・土地家屋調査士・社会保険労務士・弁理士・

     海事代理士

    ※本制度の委任による代理は、上記の専門家のほか、申出人の親族に限られます。

  Q3.一覧図の写しが追加で必要になりました。再交付を受けることはできま

    すか?

    提出された法定相続情報一覧図は、登記所(法務局)において5年間保管されます。

    この間は一覧図の写しを再交付することが可能です。

  Q4.被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本とは何ですか?

    相続人を特定するためには、被相続人(亡くなられた方)の全ての戸除籍謄本を漏れ

    なく確認する必要があります。戸籍は、被相続人が生まれたてから結婚による分籍や

    転籍、戸籍のコンピュータ化による改製などにより、複数種類にわたる場合がありま

    す。市町村役場で戸籍謄本を請求する際は、相続手続に必要なため、被相続人の出生

    から亡くなるまでの連続した戸除籍謄本が必要であることをお伝えください。

  Q5.相続人になれる人はどんな人ですか?

    相続人になれる人は一定の親族のみで、具体的には次の人です。

     (1)配偶者  

       配偶者は常に相続人になります。ただし、この場合の配偶者は法律婚をしてい

       る必要があります。内縁関係にある配偶者は相続人なれません。

     (2)第一順位(子などの直系卑属)

       被相続人の子は、実子養子を問わず相続人となります。

       出生前の胎児も相続人になります。死胎で生まれてきたときは、始めから相続

       人でなかったことになります。また、被相続人の子が相続開始前に死亡してい

       た場合にも、その子(被相続人から 見た孫)や孫(被相続人から見たひ孫)が

       相続人となる場合があります。(代襲相続)

     (3)第二順位(親などの直系尊属)

       親などの直系尊属は、第一順位の相続人がいない場合に相続人となります。

       直系尊属が複数いる場合には、親等の近い者だけが相続人となります。よって

       父母と祖父母がいずれも尊命の場合には、父母のみが相続人となります。

     (4)第三順位(兄弟姉妹)

       兄弟姉妹は、第一順位及び第二順位の相続人がいない場合に相続人になります。

       兄弟姉妹についても代襲相続は認められていますので、甥や姪が相続人になる

       ことがあります。