1.高齢者ほど認知症になるリスクは高くなる
厚生労働省の認知症患者の将来推計では、2012年時点で65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は
15%で462万人ですが、2025年には750万人に増加して65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症を発症する
ことも予想されています。また、高齢になると認知症の割合は増加するとも予想されています。
2.何も対策をしないと
(1)認知症になると
認知症になると、法律行為ができなくなります。
つまり、契約行為や遺言を書くこともできなくなります。
(2)法定後見制度を利用すると
認知症になり法定後見人を付けると、法定後見人は被後見人の、身上看護と財産管理が目的ですから、
被後見人の財産を減らすことはできません。
例えば、元気な時に孫に入学祝いを上げる約束をしていたとしても、法定後見人は孫に入学祝いを上げ
ることはできません。つまり、被後見人の財産は家庭裁判所の監督下にあり極めて硬直的な制度に服す
るしかなくなってしまうことになります。
(3)遺言を書かずに死亡すると
遺言書がなければ、法定相続人全員での話し合い(遺産分割協議)で相続財産を分配することになりま
す。遺産分割協議では、相続人の中で一人でも反対の人がいれば遺産分割は出来ないことになります。
つまり、相続争いになる可能性が高くなります。
3.元気なうちに認知症に備える
認知症になると契約行為や遺言を書くことが出来なくなります。遺言の適齢期は心身ともに元気なうちに書
くことが最も大切なことです。
4.民事信託を活用する
認知症になると財産を管理することが出来なくなります。民亊信託を活用することで元気なうちに家族など
の信頼できる人に財産管理を託すことができます。